■ 骨粗鬆症
当院では、骨粗鬆症の診療にも力を注いでおります。
定期的に血液検査や骨粗鬆症検査を行い、患者様にあわせた投薬・生活指導を行っております。ぜひお気軽にご相談ください。
① 骨粗鬆症について
骨は生きています。内部では古くなった骨が吸収されて新しく作られた骨に置き換えられるということがずっと続いています。これは年齢を重ねても同じです。骨の吸収と形成のバランスがとれていればよいのですが、バランスが崩れてしまうと骨量が減ってしまいます。
それに加えて骨自体がもろくなってしまうこともあり、骨折しやすい骨になってしまうのが骨粗鬆症です。骨粗鬆症自体には自覚症状がないため気づかず、骨折したのをきっかけに検査を受けて初めて診断されることも多いです。
骨折を繰り返すことにより日常生活が次第に困難になり、介護を必要とするようになってしまいます。そのようなことにならない為に、日頃から血圧や血糖、コレステロールなどだけでなく骨粗鬆症の検診を受け、必要と診断されたら積極的に治療を受けたほうが良いでしょう。
② 骨粗鬆症の原因
男性にも見られますが特に女性に多く、主として閉経後のホルモン減少によって起こる事が多いです。加齢、遺伝子的な体質、喫煙、過度の飲酒、偏食による栄養不良、外出しない生活習慣も原因になります。また、糖尿病、関節リウマチ、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症、ステロイド剤の長期服用も2次性骨粗鬆症の原因です。
③ 骨折しやすい部位
全身の骨が折れやすくなりますが、特に背骨(圧迫骨折)、肩(上腕骨近位骨折)、手首(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根(大腿骨近位骨折)が多いです。入院、手術が必要なことも多く、日常生活動作が悪化しやすくなります。
④ 骨粗鬆症の診断
健康診断で骨密度測定をしてもらう機会があれば、積極的に受けましょう。
当院でもデキサ法(X線による測定)で短時間に測定できます。
また、骨内の吸収、形成のバランスを血液検査で測定(骨代謝マーカー)することもあります。
これらの各種検査を行うことで総合的に診断します。
⑤ 骨粗鬆症の治療
現代において様々な内服、注射の治療薬が開発されています。
患者様の骨の状態、合併症なども考慮してこれらの薬を選択して治療することになります。
骨粗鬆症は薬を飲めばすぐに治る病気ではありません。自覚症状がないと治療を中断してしまいがちですが、定期的に骨密度の検査を受けながら気長に治療することが大切です。
⑥ 生活習慣
能力に合わせた運動の習慣は大切ですし、喫煙、過度の飲酒は避けましょう。
食事の工夫など、栄養面での注意も必要です。骨のために重要な栄養素、食品の例を示します。
サプリメントに頼りすぎず、毎日の食事を大切にしましょう。
カルシウムを多く含む食品 | 牛乳・乳製品 小魚 緑黄色野菜 大豆・大豆製品 |
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ビタミンDを多く含む食品 | 魚類 きのこ類 |
ビタミンKを多く含む食品 | 納豆 緑色野菜 |
タンパク質を多く含む食品 | 肉 魚 卵 豆類 牛乳、乳製品 |
(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版を参考にしました) |